農地転用太陽光発電
全量買取制度になったことにより、空き地や遊休地のような住宅や事業所等の建物がない場所でも電力会社の許可が得られれば、自由に太陽光発電所を設置することが可能になり、産業用太陽光発電のメリットとなりました。
しかしながら、土地には使用目的が限定される「地目」と呼ばれる制度が存在しており、 例えば、「宅地」は住宅や事業所が建築出来る土地のことで、その他では、田、畑、山林、原野、学校用地、鉄道用地など、それぞれ土地の利用が限定されています。
ですから、地目が田や畑といった「農地」の土地に、太陽光発電の施設は設置できない決まりになっています。
そのため、耕作放棄地や有休農地のような、使われていない農地を別の地目に変更することで、土地の有効利用を目的とした「農地転用」という制度を利用する方向に変わってきています。
しかし、農地は野菜やお米といった農業に利用される土地であり、日本の食料自給率は世界的にも最低レベルとなっている中で、その農業用地が確実に減少することにもなります。
農地が他の地目に一旦変更されれば、再度、農地である田や畑に戻すことは考えにくいので、農地転用の審査や条件は非常に厳しく転用許可が下りにくいのが現状です。
※※年度内導入を検討の方へ※※
2016年度(平成28年度)買取価格の適用を受けての太陽光発電導入は、すでに受付を終了しました。今後検討される方については、2017年度以降の固定価格買取制度が適用となります。どう検討していけばよいか、下記ページをご覧頂けるとスムースですので、ご参照ください。
- 簡易版・導入検討3ステップ
- いつ導入するのがベストか?
- 2017年度(平成29年度)における売電価格(買取価格)はいくら?
- 太陽光発電の正しい優良業者の見極め方
- やりがちな最も大きな間違いを避ける方法
- 設置前に必ず確認すべき3つの事項
農地転用の許可基準を満たす必要手続き
農地転用の申請手続きは、基本的に各市町村管轄の「農業委員会」に所定の書類を提出することで、その内容を審査した上で転用が許可されるという流れになります。
申請に必要な書類は、法人の場合は、
- 定款(寄付行為)及び 法人の登記事項証明書 申請に係る土地の登記事項証明書
- 申請に係る土地の地番を表示する図面 転用候補地の位置及び附近の状況を示す図面 (縮尺50,000分1~10,000分の1程度)
- 転用候補地に建設しようとする建物または施設の面積、位置および施設間の距離を表示する図面(縮尺500分1~2,000分の1程度)
- 転用事業を実施するために必要な資力及び信用があることを証する書面
- 所有権以外の権原に基づく申請の場合には所有者の同意書
- 耕作者がいるときは、耕作者の同意書
- 転用に関連して他法令の許認可等を了している場合にはその旨を証する書面
- 申請に係る農地が土地改良区の地区内にある場合には当該土地改良区の意見書
- 転用事業に関連して取水または排水につき水利権者、漁業権者、その他関係権利者の同意を得ている場合にはその旨を証する書面
- その他参考となるべき書類
まどです。
詳細については、管轄の農業委員会へ必ず確認されてください。
農地転用に必要な立地による許可規準
区分 |
営農条件、市街地化の状況? |
許可の方針 |
農用地区域内農地 |
市町村が定める農業振興地域整備計画において農用地区域とされた区域内の農地 |
原則不許可(市町村が定める農用地利用計画において指定された用途(農業用施設)等のために転用する場合、例外許可) |
甲種農地 |
市街化調整区域内の土地改良事業等の対象となった農地(8年以内)等、特に良好な営農条件を備えている農地 |
原則不許可(土地収用法の認定を受け、告示を行った事業等のために転用する場合、例外許可) |
第1種農地 |
10ヘクタール以上の規模の一団の農地、土地改良事業等の対象となった農地等良好な営農条件を備えている農地 |
原則不許可(土地収用法対象事業等のために転用する場合、例外許可) |
第2種農地 |
鉄道の駅が500m以内にある等、市街地化が見込まれる農地又は生産性の低い小集団の農地 |
農地以外の土地や第3種農地に立地困難な場合等に許可 |
第3種農地 |
鉄道の駅が300m以内にある等、市街地の区域又は市街地化の傾向が著しい区域にある農地 |
原則許可 |
基本的に農地転用の対象となるのは、上記のように立地区分が「第2種農地」「第3種農地」のみとなります。
それ以外の土地区分については、転用の許可が下りないことになりますが、上記の基本的なケース以外にも「特例制度」を利用することができる農地転用もあります。
特例農地転用の申請手続きは、基本的なケースと同様にまず農業委員会へ申請書を提出します。
通常の場合は、「都道府県知事」の許可が必要ですが、農地面積が4ヘクタール以上の場合は、「農林水産大臣」の許可が必要となります。
このように、農地転用は都道府県・国レベルで厳しく監視しているため、許可がおりなかったり、非常に時間が掛かったりする場合が多いのです。
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