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2016年以降太陽光発電はどうなる?

2014年の九電ショック以降、産業用太陽光発電市場は成長が一気に減速しました。一方で、住宅用太陽光発電は一時は需要が減ったものの、産業用太陽光発電と異なり、買取り停止のリスクがないということが浸透したり、そもそも売電中心の考え方から、自家消費の考え方にシフトしつつある点からも、2017年に入った現在においても根強いニーズがありつづけており、市場も安定的に推移しています。

ただ、そうはいってもやはり現状は固定価格買取り制度を利用することで、住宅用にしても産業用にしても経済的なメリットは最大化するのは間違いのないことですので、2016年度以降にそういった制度はどうなっていくのか、あるいは初期費用としてかかる経費=導入価格はどうなるのか、地方自治体で助成される補助金はどうなるのか、売電価格がどうなるのか、そういった点をしっかりと見通して、「今、何をどう考え、選択するのか」をしっかりと判断頂けたらと思います。※この記事は、主に現在太陽光発電を導入するかどうかを検討されている方に向けて書いています。
この記事であなたが学べる2016年現在の太陽光発電に関する最新情報や判断材料は以下です。


※最新版:太陽光発電の売電価格等の状況については、2017年度(平成29年度)における売電価格(買取価格)はいくら?トをご覧ください。


  1. 導入価格はどうか
  2. 売電価格はどうなるか
  3. 補助金はどうなるか
  4. いつ設置するのが本当に得なのか
  5. 製品の性能、価格の観点から
  6. 売電価格、ランニングの観点から
  7. 機会ロスの観点から

【参考資料・コラム】この新聞は、2015年10月19日の日経新聞の記事です。

2016年10月19日日経新聞の太陽光発電の記事この記事に書いている通り、太陽光発電は現在市場としても転換期に来ているのは間違いありません。「儲かるから」という理由で産業用太陽光発電が九州に集中して、九州電力による新規進出が規制されました。もちろん、これには供給過剰という側面よりも原発も含めた政治的なチカラが加わっているのは疑う余地はありません。
しかし、一方でこういった自体に陥るということは、行き過ぎたニーズ、行き過ぎた販売攻勢によるものであるのも事実です。住宅用太陽光発電は、経済的に利益が出ると言っても、個々の利益は全体の中ではたいした問題ではなく、当然影響も小さいので、規制されていないといえるでしょう。いずれにせよ、個々の利益と全体最適の考えをバランスよく配慮して物事を進めていくことは大切でしょう。また、一部業者が、九電ショックで多大な損害を被ったということですが、確かに「将来得られる利益の損失」はあるでしょうが、実被害はあまりないはずです。なぜなら、九電が行ったのは新規設備認定の受付であって、買取り拒否ではないからです。設備認定したものについては、約束を履行しており、設備認定がされる前に資材を発注した業者というのは、それは早計で自己責任ということができるでしょう。


※※年度内導入を検討の方へ※※
2016年度(平成28年度)買取価格の適用を受けての太陽光発電導入は、すでに受付を終了しました。今後検討される方については、2017年度以降の固定価格買取制度が適用となります。どう検討していけばよいか、下記ページをご覧頂けるとスムースですので、ご参照ください。



導入価格はどうか

太陽光発電の導入価格は、導入規模やメーカー、設置場所の条件によっても異なりますが、2015年現在においては、おおむね1kWあたり10万円台後半~40万円台前半程度で推移していると思われます。もちろん、場合によってはもっと安かったり、もっと高かったりしますが、太陽光発電の価格は、さまざまな要素によって構成されるために、多少のずれが生じるのは仕方ないことといってよいでしょう。
中国系メーカーで、規模が大きく、設置が容易な場所で、販売店がたくさんある場合は、1kWあたり10円台というケースもあるでしょう。逆に規模が小さくて(3kW程度)、高発電効率のPanasonicなどのメーカー製品などで、かつ販売店による競争があまりないエリアでしたら、1kWあたり40円台前半というケースもあるでしょう。

この価格は、若干ですが2014年に比べると安価になっていますが、2012年から2013年、2013年から2014年、の下落幅に比べたら、かなり縮小しているのが現状です。それもそのはずで、市場自体が成長期から成熟期に入ろうとしてる段階なので、これ以上劇的に製品が安価になるには、革新的な技術向上が不可欠になっていると考えられます。つまり、太陽光パネルの素材であるシリコンがより安価に作られるようにならない限り、これ以上劇的な価格下落は起こらないということです。
※わかりやすい例でいくと、液晶テレビは、1インチ1万円を切ることが普及ラインと言われてから、一気に下落して、いまでは特売などでは32インチ32,000円とかで売られていたりします。つまり、1インチ1,000円になったということです。しかし、それ以上はここ数年下がっていません。これと同じことが太陽光発電にもいえるということです。


太陽光発電の価格推移

2015年1月15日に行われた『調達価格等算定委員会(第16回)』で配布された資料から抜粋


売電価格はどうなるか

固定価格買取り制度における売電価格は年々下がっていました。
特に産業用太陽光発電における下落幅は極端に大きく、これまで産業用分野での利益が大きすぎたことが指摘された結果となっています。2015年度の買取り価格をおさらいすると次の通りです。


10kw未満(余剰売電)

出力制御対応機器の設置義務あり

出力制御対応機器の設置義務なし

1kwあたり35円

(前年比:2円引き下げ)

1kwあたり33円

(前年比:4円引き下げ)


10kw以上(全量売電)

4月1日~6月30日

7月1日~

1kwあたり29円

(前年比:3円引き下げ)

1kwあたり27円

(前年比:5円引き下げ)


これまでの売電価格の推移を見てみてると次の通りなっています。

2012年 2013年 2014年 2015年
42円 38円 37円 33円・35円
42円(税込み) 36円(税別) 32円(税別) 29円・27円(税別)

※上段が住宅用太陽光発電の買取り価格で、下段が産業用の買取り価格です。


以上の背景から、やはり産業用太陽光発電の下落幅は大きく、住宅用は比較的小さい流れは、来年度も続くことが想定されています。現在は電力会社の都合もあって、買取り量が調整されている段階ですが、国としては再生可能エネルギーの拡大は急務であり、太陽光発電だけではなくバランスよく普及させていくことが施策されています。いま全体的に足踏み感がありますが、そうはいってもやはり太陽光発電の普及はとても大切になることは間違いないので、2016年の買取り価格は、住宅用30円程度、産業用25円(税別)になるのではないかと私は考えています。


補助金はどうなるか

太陽光発電導入時の補助金は、2014年以降助成されていませんが、いまでも地方によっては導入時に補助金があります。太陽光発電の補助金と全量買取制度についてをご覧ください。
この補助金については現在でも地域格差が大きいように、来年も同様の流れになることが想定されます。

ただ、全体としては導入時の補助金自体は小さくなる傾向性は今後も継続すると思いますので、いま補助金が設定されている地方自治体においても来年度はなくなる可能性が高いと考えておいたほうがよいでしょう。※地方自治体によっては、電力についての独自目標を掲げているところもあるので、そういった自治体では2016年度も継続されていく可能性は高いといえます。


いつ設置するのが本当に得なのか

では、太陽光発電はいつ設置するのが一番お得になるのか、という点についてです。
どうせ太陽光発電を設置するなら、少しでも得をしたいと思うのが人情でしょう。
太陽光発電は安ければそれでよいというものではありません。導入後の売電収益や節電利益などの収益が少しでも多いほうがよいでしょう。また、メンテナンスに経費もかかってくるので、初期費用、ランニングコスト、想定利益、今後の導入価格動向、製品性能、売電価格等を総合的に見て判断することが望まれます。つまり、費用対効果を最大化するということです。
※そういう意味で少し古い記事ですが、いつ導入するのがベストか?は本質的な点から書いているので今でもあなたにとって有益になることは間違いないでしょう。

その上で、以下の点から2016年に向けて判断軸をお渡ししたいと思います。


製品の性能、価格の観点から

太陽光パネルの性能は、ここ数年で劇的に向上し、価格は劇的に下落しました。
今後も製品品質の向上と価格の下落は、続くことでしょう。

一方で、製品の性能は一定レベルの高さにまで到達しており、価格もまた同様に一定レベルにまで下落しています。そういう意味では、これから先ここ数年来起こったような性能、価格の劇的な変化は正直望めないのが現実だと思います。あるとそれば、太陽光パネルのメイン素材であるシリコンの素材そのものが完全に新しくなること。これによって劇的な技術革新が起こることでしょう。発電効率が劇的にあがり、価格は安価になると思います。ただ、現段階では研究開発中なので、向こう5年程度は市場に出てこないと考えて良いでしょう。

つまり、当面については、現レベルの太陽光パネルが現在レベルの価格で多少前後しながら流通している状態だと考えられるということになります。


売電価格、ランニングの観点から

一方で、売電価格は今後確実に下がることは、先にもお伝えした通りです。
2016年には、住宅用で1kW当たり30円程度、産業用で25円程度にまでは下がるでしょう。(※これはあくまでも予想ですが)

そういう意味では、製品性能が劇的に向上しないということは、発電量は向こう5年以内に導入した場合、同じ日射量であればほぼ変わらないということができます。ただ、売電価格が高ければ利益は大きくなり、安ければ利益は小さくなるというだけの話になるということができます。

売電価格、ランニングの利益を考えると2016年に導入するよりは、完全に2015年に導入したほうがお得です。


機会ロスの観点から

最後に、もし5年後太陽光発電を導入する場合、いまから5年間は、太陽光がどれだけ照射してもあなたの屋根や土地、太陽光発電の設置を検討している場所からは何も生まれません。逆にもし、いま太陽光発電を導入するとしたならば、その場所からいったいいくら利益を得られるでしょうか。
仮に5年後に劇的な技術革新があって、いまよりも遙かに高性能で安価な太陽光パネルが発売になったとして、この5年間のギャップを埋めるのに、どれだけ期間が必要でしょうか。

以上の背景を考えると、私は絶対に「いますぐ」太陽光発電の導入を検討すべきと思います。

注意すべきは、「検討」をはじめるのであって、「導入を決定」するのではないということです。当サイト内では、随所にお伝えしていることですが、太陽光発電は設置すれば誰でもメリットを得られるような商品ではありません。地域や設置場所の向きや角度、日照量や気温、日影条件などのさまざなな要素が複合的に絡み合って、実際に利益になるかどうかが決まります。

なので、あなたが太陽光発電を導入するかどうかを決めるのは、あなたの場所で、太陽光発電が本当に得なのかどうかを見極めてからになります。そういう意味で、まず太陽光発電の導入を検討し始めてください。導入を決定するのではありません。しっかりとリサーチをして、あなたが太陽光発電を導入して本当にメリットがあるのかどうかをきちんと検証しましょうということです。

そのためには、まずこちらの【全国対応】3分で入力が完了する無料の見積もり依頼をかけてください

そして、提出された見積もりとシミュレーションで、本当に太陽光発電が特になるかどうかを判断してください。そして、最終決定をすることが必要です。2015年度中に太陽光発電を導入する場合、遅くとも2015年の12月中には見積もりを取得しないといけません。いろいろと手続きに時間がかかることを考えると、いますぐ見積もりを取得することが必要でしょう。

その上で、以下の記事をご覧になって、見積もりとシミュレーションが来るのをお待ちください。
必ずあなたのお役に立てると思います。

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