電力自由化で太陽光発電は得する?
2016年に「電力の小売りが完全自由化」となります。
これまで、私たちは電気を購入しようと思った際には、基本的には、関東にお住まいの方は東京電力から、関西にお住まいの方なら関西電力から、私のように島根県隠岐の島に住んでいるのだったら、中国電力から購入することが、必要でした。
つまり、私たち消費者は、「電力の購入先」を選べなかったのです。
実際に、電力は水道、ガス、に並ぶ、非常に重要なライフラインであり、電力を安定的に供給するには、非常に大規模な設備が必要になるため、一般企業である電力会社が運営しているとはいえ、ほとんど公営に近い状態で、自然な独占状態にあったわけです。
しかし、そもそも電力網を作り上げたのは、国家予算によるもので、一般企業となってしまった電力会社だけが電力網を独占的に利用するのは、おかしな話と言えば、おかしな話なわけです。もちろん、国がライフラインを整備するために、国家予算で電力網は作られた背景があるにせよ、その後の維持管理や拡張等、電力会社は設備投資をしてきたでしょう。
それらを複合的に勘案して、電力網という巨大な資源を「電力会社以外」の一般企業も一定の条件で利用でき、電気を小売りできるように定めたものが、「電力の小売り自由化」というわけです。
過去、電話網がNTTの独占であったものを、一般企業に解放し、KDDIなどの一般企業が参画することで、電話料金が安くなった事例から、電力の自由化がなされることで、電気代金も安くなることが見込まれています。また、価格が安くなるだけではなく、さまざまな付加価値がうまれるきっかけとなることでしょう。
※※年度内導入を検討の方へ※※
2016年度(平成28年度)買取価格の適用を受けての太陽光発電導入は、すでに受付を終了しました。今後検討される方については、2017年度以降の固定価格買取制度が適用となります。どう検討していけばよいか、下記ページをご覧頂けるとスムースですので、ご参照ください。
着々と準備を始める企業たち
次に紹介しているのは、2014年11月29日の日経新聞からの抜粋です。
新規参入企業が電力の小売りをはじめた場合、小売り会社は電力を仕入れることが必要になります。
自社で発電所を建設する企業もあるでしょうし、どこか発電所から仕入れる企業も出てくるでしょう。
当然のことながら、全量買取制度の適用を受けている方からも電力を買い取ることができるようになります。しかも、電力の小売り企業からすれば、固定価格買取制度の買い取り価格は、非常に高額とはいえ、通常仕入れる電力と、固定価格買取制度における買い取り単価との差額は、全量買取制度によって、補填される仕組みになっているわけです。
そうなると、各電力小売り会社は、全量買取制度の買い取り価格さえも、調整することができるようになるのです。
先の記事をご覧ください。
なんとソフトバンクは、現状の全量買取制度の適用を受けている買い取り価格よりも、さらに1円高い価格で、電力を買い取ってくれる仕組みを準備しているとのことなのです。たった1円なんて特にメリットを感じないという方もあるかもしれませんが、よーく考えてみてほしいと思います。
たとえば、1kWあたり年間発電量が1,100kWhだったとします。
仮にそのすべてを売電したとすれば、従来の電力会社へ売電するより、ソフトバンクに売電した方が、年間1,100円利益が増えることになります。余剰電力の売電の場合、7割売電したとして770円の利益増ということになります。たしかに、1kWhたった年間1,000円程度です。じゃあ、10年だとどうでしょう?産業用の場合20年だとどうでしょう?
次のような計算になります。
【住宅用の場合】
年間利益増 1,100kWh×70%(売電割合)×1円=770円
10年間の利益増 770円×10年間=7,700円
5kW導入していたとすると 7,700円×5kW=38,500円→10年間の増額利益分
【産業用の場合】
年間利益増 1,100kWh×1円=1,100円
10年間の利益増 1,100円×20年間=22,000円
40kW導入していたとすると 22,000円×40kW=880,000円→20年間の増額利益分
以上のように、決して馬鹿にならないくらいの額になってくるわけです。
電力の小売り自由化の恩恵を受ける可能性はある
以上を総合的に考えると、太陽光発電をすでに導入した人、あるいはこれから導入する人にとって、電力の自由化は、非常に大きなメリットを得るチャンスになるかもしれません。すでにソフトバンクが、電力の仕入れ先を10,000件確保するために、1円買い取り価格UPの方針を打ち出しているように、今後新たに参入する人は、もっとよい条件をだしてくるかもしれないのです。
また、固定価格買取期間が完了してからの契約がどうなるかについても注目されます。
電力の小売りが自由化=電力の自由競争に突入したということは、電気は価格が下がることが予想されます。
と同時に、電力だって小売りがあるなら、仕入れがあります。
電力会社からすれば仕入れ先=発電所や太陽光発電の導入者から電気を仕入れなければ、小売りすることはできません。そういう背景からすれば、固定価格買取期間が終了したあとも、売電先が選べる状態にあることは、より高く電気を売ることができることを表しているわけです。
そういう意味で、電力の自由化は、わたしたちにとって非常にありがたいことといえるでしょう。
※私は、個人的に孫正義社長のファンなので、ぜひ現状の仕組みをぶちこわして、消費者に有利な状態にしてほしいと願っています。
※太陽光発電の検討は、こちらからご覧になられることをおすすめします。
太陽光の設備認定と電力売電権利をお売り下さい。
電力小売りの自由化の恩恵で買い取り価格を向上されるか!|太陽光発電アドバイザー公式情報サイト関連ページ
- メガソーラーに収斂されていく?
- 太陽光発電が集中処理に向かうという社説を読みました。今後太陽光発電ブームがどのように収束していくかをITブームと比較して検証しており、とてもおもしろいので取り上げてみました。
- 太陽光発電に対する政策~これからと今後
- 再生可能エネルギー固定価格買取制度が、2012年当時の民主党政権により開始されて以降、太陽光発電市場は大きく盛り上がりを見せています。この太陽光発電は政府主導で進められているため、政権の政策次第では風向きが大きく変わってしまうことに注意が必要です。今回は、太陽光発電を巡ってこれまでに施行された政策と今後の傾向についてご紹介します。
- 平成27年度固定価格買取制度の売電価格最新情報
- 平成27年度固定価格買取制度の売電価格がいよいよ調整段階になっています。このページでは、買い取り価格が確定するまでの経過を順次追っていきたいと思います。(随時最新情報に更新します)
- 横行する太陽光発電投資詐欺の実態
- 今最も熱い投資として非常に人気が高い、太陽光発電投資。その注目度の高さと安定度の高さを利用した詐欺が横行し始めているようです。絶対に騙されないよう対策することが望まれます。
- メガソーラーよりも住宅用のほうが実稼働は大きい
- 2013年7月8日環境ビジネスオンラインに掲載された村沢義久氏の記事の転載と解説です。。やはり、一つ一つは小さいけれど、数が集まって大きな力となる家庭用太陽光発電は、これからも非常に重要な役割をになっていると考えられます。
- 2015年度の太陽光発電の売電価格は?
- 2013年11月18日の日経新聞によると経産省は、2015年度の太陽光発電の売電価格を30円(税込)/kWhまで下げることを検討しているとのことです。もちろん、2014年度の運用次第で変わってくると思いますが、ここでしっかりと取り上げてみたいと思います。
- 速報!2014年度の買い取り価格が決定!
- 注目を浴びていた2014年度の太陽光発電による売電価格が決定しました。産業用は大きく値を下げ、家庭用はほぼ据え置きに近い形になっています。買い取り価格の詳細を徹底検証します。
- 太陽光発電の人気比較|失敗回避術
- 太陽光発電の人気比較.netでは、今大人気で当サイトでもおススメしているメーカーを比較して、どのメーカーが一番よいかを比較検証しています。 太陽光発電の導入を検討しているのなら、ぜひ参考にしていただけたら幸いです。
- 太陽光発電の設置費用はどれくらい
- 太陽光発電の設置費用はどれくらいかかるのでしょうか?普及が加速する中で、設置価格もどんどん変化しているのが現状です。ここでは、今年度太陽光発電を設置する際にかかる費用相場について解説しました。
- それ以外で絶対におすすめの投資情報
- 太陽光発電は投資としての側面を持っているために、製品それ自体への関心ではなく、投資=お金を増やす行為に関心を抱いている方も多いでしょう。ここでは、当サイト唯一、太陽光発電とは全く異なる投資情報を紹介したいと思います。投資に興味がある人以外は決して見ないでください。
- 太陽光発電の歴史
- ここでは、太陽光発電の歴史についてお伝えしています。これまでの流れを知ることで、今後を見通すこともできるという意味で、簡単にまとめてみました。
- 太陽光発電の買い取り価格2015年度はいくら?
- ここでは、太陽光発電の買い取り価格が2015年度どうなるかを予測します。最終確定は、2015年3月になると想定されますが、さまざまな情報を収集して、適宜更新しますので、確実にチェックされることをオススメいたします。
- 住宅を新築するなら太陽光発電をこう設置する
- これから住宅を新築するにあたり、太陽光発電の設置を検討しています。どういう考え方で建築すればよいですか。質問をいただきましたので回答させていただきます。
- 太陽光発電は2016年どうなる~価格や売電単価、補助金~
- 太陽光発電は、2016年度どうなっていくのでしょうか。導入価格、売電価格、補助金、いろいろな要素がある中で、何をどう考えて、私たちは行動すべきか、解説しました。