太陽光発電は維持費が必ず必要になります。
一昔前までは、太陽光発電はメンテナンスフリーと謳い販売されていました。確かにソーラーパネル自体は、半導体を使って発電する仕組みになっているので、
非常に高い耐久性を持ち、特にメンテナンスしなくても発電することができます。
⇒詳しくは、太陽光発電のしくみ
しかし、太陽光発電システムはソーラーパネルだけで構成されているわけではないですし、
屋外に設置されて10年、20年以上かけて運用されるものです。
当然、自然環境によってはいろいろと不具合が出たり損耗が起こったりします。
「屋外」「超長期」というのは、いろいろなリスクを抱えることになるからです。
ここでは、太陽光発電を長期間運用していくことを前提に、
想定される維持費について考えてみたいと思います。
※※年度内導入を検討の方へ※※
2016年度(平成28年度)買取価格の適用を受けての太陽光発電導入は、すでに受付を終了しました。今後検討される方については、2017年度以降の固定価格買取制度が適用となります。どう検討していけばよいか、下記ページをご覧頂けるとスムースですので、ご参照ください。
太陽光発電はどんな維持費がかかるのか
基本的に単に太陽光発電が稼動している間は、費用がかかることはありません。太陽光が照射されれば、ソーラーパネルが電気を発電し、パワーコンディショナーで、
直流の電力が交流に変換されて、分電盤から家庭内をめぐって自家使用され、
余った電力は売電メーターで計測されて電力会社へと逆潮流していきます。
※10kW以上の産業用太陽光発電の場合、発電された電力は、
パワーコンディショナーで交流に変換された後、売電メーターを通って、
電力会社へと全量が逆潮流していきます。
その間に、お金がかかることはないのです。
※パワーコンディショナーは、動かす際に電力を消費します。
消費電力は、稼動量=直流から交流に電力を変換する量に比例して増えますが、
消費電力は、家庭用のものであれば運転中で50W程度、
つまり、60Wの白熱灯程度であり、待機電力は0.5W程度となっています。
オムロンHPを参照しました。
消費電力は、稼動量=直流から交流に電力を変換する量に比例して増えますが、
消費電力は、家庭用のものであれば運転中で50W程度、
つまり、60Wの白熱灯程度であり、待機電力は0.5W程度となっています。
オムロンHPを参照しました。
※60Wの電気代はいくらか?
60Wの電気製品を1時間使用した場合の電気代は次の通りです。
0.06kW×1時間=0.06kWh
1kWhあたりの電気代を相場の24円程度と考えると、
0.06kWh×24円=1.44円/時間ということになります。
60Wの電気製品を1時間使用した場合の電気代は次の通りです。
0.06kW×1時間=0.06kWh
1kWhあたりの電気代を相場の24円程度と考えると、
0.06kWh×24円=1.44円/時間ということになります。
仮にパワーコンディショナーが、一日12時間30日稼動したとすると、
月間稼動時間は、360時間、1.44円×360時間=518円となります。
よってパワーコンディショナーの消費電力は維持費として
大きなウェイトは占めないということができるでしょう。
維持費としてかかるものは次のようなものがあります。
太陽光発電システムの中で維持費がかかる部分
- 定期点検費用(販売店によりますが無料のところが多い)
- パワーコンディショナーの交換費用
- 保証期間後のソーラーパネル補修費用
- 電気系統トラブル時の修理費用
- パワーコンディショナーの電気代
この中でもっとも大きな金額を要するものは、パワーコンディショナーの交換費用になります。
太陽光発電の定期点検費用
定期点検は、販売店によっては無料でついているところもありますが、数年に一度、有償で依頼することも大切になります。
その際の費用は、3,000円~10,000円も見ておけば十分でしょう。
一方で、大切なのは発電状況を監視していくことです。
点検を依頼することも大切ですが、異常を察知するのは、
日々発電量を見ている使用者の方です。
発電量がいつもと違って極端に少なくなっていないかを確認する必要があります。
このあたりのメンテナンス関係については、
太陽光発電とメンテナンスでご確認ください。
ソーラーパネルの保証期間外の修理・交換費用
補修期間外の修理費用については、実費がかかります。ただし、基本的にはどのメーカーも最低10年保証がついているので、
費用としてかかるのは、10年目以降となります。
それまでに補修や交換が必要になった場合は、
メーカー負担で工事してくれるので問題ありません。
また、メーカーによっては20年保証が標準であったり、
有償で15年、20年と保証期間を増やすことができたりするので、
併せて検討することをおススメします。
修理・交換に必要となる費用は、
最大で導入費用と同じものです。
といっても、パネルすべてを取り替えるわけではないので、
250Wのパネルひとつが交換だった場合は、一枚分の価格になります。
仮にkWあたり400,000円が相場だとすると、
その1/4、100,000円が交換費用になり、修理の場合は、それ以下の価格となります。
電気系統のトラブル時の修理費用
電気系統のトラブル時の工事費用については、これは原因が何かによってまちまちです。
元々の設置場所の電気配線が原因であったり、
太陽光発電を設置したことによる工事不良が原因であったり、さまざまです。
あまり頻繁に起こることはないですので、「維持費」として考慮しておく必要まではないですが、
万が一の場合、数万円かかる可能性があるくらいで考えておいてください。
例えば、分電盤や売電メーターなどの故障、室内配線などのトラブルです。
通常の家庭でも起こりえることなので、想定しておく程度でよいでしょう。
パワーコンディショナーの交換費用
パワーコンディショナーの交換費用については、10年程度以降、
いつ起こってもおかしくはないものとなります。
というのも、ソーラーパネルは半導体という半永久的な素材を使っているのに対して、
パワーコンディショナーは、インバータを使っており、物理的な損耗を起こすため、
寿命がどうしても短くなってしまうためです。
※ソーラーパネルは物理的な運動は一切なく、半導体の中の電子の移動により発電します。
※パワーコンディショナーは、さまざまな装置が複合的に動作しますので、
どうしても物理的な損耗が生じてしまうようになっています。
以上の背景から、パワーコンディショナーが故障してしまった際には、
交換費用が必要になります。
現状相場が10万円程度ですが、今導入した方のパワーコンディショナーが壊れるのは、
10年程度先の話になるので、もう少し安価になっているのは間違いないでしょう。
太陽光発電の維持費まとめ
太陽光発電システムの寿命20年~30年の中にかかる維持費は次のとおりになります。
※定期点検は、一回5,000円、太陽光発電は20年で償却すると想定します。
※全体的に少し高く想定しています。
定期点検費用 2年に一度5,000円=2,500円/年
パワーコンディショナーの交換費用 10年後に100,000円=10,000円/年
パワーコンディショナーの電気代 月額500円程度=6,000円/年
合計おおよそ20,000円程度が太陽光発電の維持費として必要ということになります。
そして何より大切になるのは費用対効果がどうかという点だと思います。
そのあたりについて、当サイトのメインコンテンツ必ず確認すべき3つの事項でしっかりとご確認ください。
今回は住宅用太陽光発電についてお伝えしていますので、10kW以上の産業用で検討されている方は、
産業用太陽光発電で絶対成功する秘訣でご確認ください。
太陽光の設備認定と電力売電権利をお売り下さい。