余剰電力の買取と全量買取の違いとは?
太陽光発電を導入するかどうか検討している方にとって、非常に大きな要因となっているのが、再生可能エネルギーの固定価格買取制度の適用です(いわゆる全量買取制度のことです)。これは、太陽光発電などの再生可能エネルギーによって発電した電力を、固定価格で一定期間、電力会社が買い取ることを義務づけたものです。
通常流通している電力価格よりもはるかに高い金額で買い取ってもらえるので、再生可能エネルギーによる発電設備を導入する人にとって非常に有利な制度になっています。(⇒制度の全体像については詳しくは全量買取制度とはご覧ください。)
そこで出てくるのが、「余剰電力」の買取と「全量買取」です。
この二つはまったく異なるものですが、何がどう違うのでしょうか?
ここでは、「余剰電力」の買取と「全量買取」の違いをまとめてみたいと思います。
- どういった場合に全量買取になって、どういった場合に余剰電力の買取になるのでしょうか?
- そして、それぞれの場合どのような条件が適用されるのでしょうか?
- また、どちらが「よりお得」になるのでしょうか?
余剰電力の買取とは?
余剰電力の買取とは、発電した電力を「まず自家消費して」、余った電力を売電するものです。
太陽光発電で作られた電力は、すべて「消費」されるか「売電」されるかのどちらかになります。
太陽光発電だけでは蓄電池機能がないため、常に「使用される」ためです。
余剰電力の買取制をとられるのは、主に住宅用の太陽光発電で10kW未満のものに限られます。※ただし、住宅用のものであっても10kW以上の太陽光発電の場合は、全量買取となります。余剰電力の固定買取期間は、10年間となります。
買取価格は、毎年見直されます。これまでの買取価格の実績は、それぞれ1kWhあたり2012年度は42円(税込み)、2013年度は38円(税込み)、2014年度は37円(税込み)です。(このカテゴリの中に関連記事はたくさんあるので、気になる方はご覧ください。当ページの下の部分にあります。)
見ていただくとわかるとおり、毎年買い取り価格は安くなり、個人が非事業用として導入するものであることから、税込み価格となっています。
※※年度内導入を検討の方へ※※
2016年度(平成28年度)買取価格の適用を受けての太陽光発電導入は、すでに受付を終了しました。今後検討される方については、2017年度以降の固定価格買取制度が適用となります。どう検討していけばよいか、下記ページをご覧頂けるとスムースですので、ご参照ください。
全量買取とは?
全量買取制度は、2012年7月に始まった制度で、もともとあった住宅用の余剰電力買取制度を事業者を含めるために、新しい固定価格買取制度として施行されたものです。10kW以上の事業用太陽光発電に適用されます。固定買取期間は、20年間となっており、非常に長いのが特徴です。
余剰電力同様に買取価格は、毎年見直されます。
これまでの買取価格の実績は、それぞれ1kWhあたり2012年度は40円(税抜)、2013年度は36円(税抜)、2014年度は32円(税抜)です。
事業用の場合は、別途消費税が加算されるようになっています。
2013年度までは5%、2014年度からは8%で、課税事業者でなければ、消費税分は丸々収益となります。
どちらが「よりお得」になるのか?
一般的に流通する電力は、1kWhあたり、おおよそ24円程度なので、太陽光発電で作られた電力は、自家使用するよりは売電したほうがお得です。また固定買取期間も10年違うので、「よりお得」なのは全量買取ということができるでしょう。しかし、10kW未満の場合住宅用太陽光発電となるので、全量買取とはならず、すべて余剰買取になってしまいます。
ただし、カーポートや倉庫などにも太陽光発電を設置して、合計で10kW以上になる場合は、全量買取の適用を受けることができます。
買取形式 | 余剰電力の買取 | 全量買取 |
---|---|---|
対象 | 10kW未満の住宅用 | 10kW以上の住宅用 |
固定買取期間 | 10年 | 20年 |
買取価格(2014年度の場合) | 37円/kWh(税込み) | 32円/kWh(税抜き) |
いずれにせよ設置場所の面積に応じて、太陽光発電の出力は制限されていきます。
しっかりとした現地調査を元に、どのように太陽光発電を導入するか検討されることをおすすめします。
詳しくは、目的に応じて以下のページを参照ください。
太陽光の設備認定と電力売電権利をお売り下さい。
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