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太陽光発電の設置に有利な条件をどの程度満たせばよいか?

太陽光発電を設置する場所や環境には、有利な場所と不利な場所があります。

設置場所の向きや角度と発電量の関係をご覧いただけると詳細を記載してありますが、

設置場所の角度と向きについては、極めて大きな影響を受けることがわかっていますし、

その他の条件についても大小さまざまな影響を受けることがあります。


※※年度内導入を検討の方へ※※
2016年度(平成28年度)買取価格の適用を受けての太陽光発電導入は、すでに受付を終了しました。今後検討される方については、2017年度以降の固定価格買取制度が適用となります。どう検討していけばよいか、下記ページをご覧頂けるとスムースですので、ご参照ください。




発電量は一面的な条件で決まるものではありません。


例えば、地域について考えたら、年間日照量はそのエリアによって全く異なりますし、

当然気温も随分違ってくることは、当たり前のことと言って良いでしょう。

太陽光発電は、当然ながら日照量が多ければ多いほど、日射が強ければ強いほど、

発電量は多くなるのですが、一方で温度が高くなると発電効率は低下していきます。(注1)

さらに周辺環境の影響を受け、日影の問題もあって、例えば高い山に囲まれた地域だと、

夕方になると日がかげるけれど、それでも明るいように乱反射した太陽光が照射されて、

最大で40パーセント程度発電することがあったり、あるいは近くに電柱があって一定時間は、

当然季節によってその時間帯は変わるものの設置予定場所に影を作ってしまうなど、

非常にたくさんの影響を受けることが言われています。


完全な好条件の場所なんてない!


もちろん、日照量が多くて、南向きに広い30°の屋根があって、周りに日陰を作る障害物が一切なく、

気温もそんなに高くないエリアだとしたら、それは言うことはないくらい好条件がそろいますが、

ほとんどの場所では、そんなに良い条件が揃うものではありません。

これらさまざまな条件が複合的に作用することで、太陽光発電の発電量は決まってくるわけなのです。

そういう観点からすると、一点や二点あなたの自宅の環境で不利な点があったとしても、

どうせうちはダメだろうなとか、発電量は少ないだろうな、と諦めるより、

まずはしっかりと現地調査をしてもらうことで、きちんとした正しい情報を得ていただくことをオススメします。

どうせだめだろうと言っていた方が実際に導入して7~8年で元を取るようなケースもあります。

意外と一つの条件が悪くてもその他の条件が整うことも多いので、先入観なく、

きちんとした情報を取得されることをオススメしたいと思います。

与えられた場所で、咲くしかない。


実際に設置場所の条件というのは、ほとんどの場合変えることができません。

例えば、敷地内に大きな木があって時間によって影が出来るなどという場合は、

その木を切り倒せば条件はよくなります。

しかし、ほとんどは自分の敷地内の条件ではなく、例えば周囲の建物の状況であったり、

屋根が面している向きであったり、変えられないことが多いです。

もし、調査して太陽光発電に適さないということでしたら、

現状導入して得することはないということができます。

条件は変えることができないからこそ、きちんと調べることで明確化することができるわけです。

その場所はその場所に適した使い方がある、ということです。

※太陽光発電の設置場所に関する条件については、導入して得する設置場所の条件にて
詳しく記載していますので、気になる方はご覧ください。

あなたの設置場所がどうかを確認するには、
必ず確認すべき3ステップをご覧頂けたらと思います。

※10kW以上の大規模な太陽光発電の設置を検討している方は、
このあたりの記事が参考になると思います。

※あるいは、完全に投資として最適な場所に土地ごと設備を導入したい方は、
借家住まいでも太陽光発電投資する方法をご覧ください。

なるほど納得!高温時太陽光発電の発電効率が落ちるわけ


(注1)にあるとおり、太陽光発電は温度が高くなるほど発電効率が落ちていきます。

そもそも太陽光発電の公称最大出力は、以下の条件下で発電する容量を指しています。

公称最大出力の条件とは?

公称最大出力は、JIS C 8918で規定する標準試験条件に基づき測定された出力のこといいます。
JIS C 8918で規定する標準試験条件というのは、次のとおりになっています。
  • モジュール温度 25℃
  • 放射照度1,000W/㎡
  • 分光放射照度分布エアマス(AM) 1.5
※放射照度1,000W/㎡とは、1平方メートルあたり1000Wの光エネルギーが入ってくる状態のことです。
初夏から夏の晴天の日に正午ごろ記録する程度の日射量のことです。

※分光放射照度分布エアマスとは、太陽の光が地上に入射するまでに通過する大気の量のことです。
エアマス0は、大気圏外で太陽を受けた状態を指します。
エアマス1.0が、太陽を真上から受けた状態のことを指します。
太陽光は、正午に一番エアマスが小さくなり、夕方や朝に数字が大きくなります。
なぜなら、地球に太陽光が照射されて地上に到達する間に大気圏を長く通るからです。
エアマス1.5は、太陽光が地平線から42度のところくらいから照射された状態のことをさします。

太陽光パネルが発電する仕組みから温度について考える


太陽光パネルは、半導体です。
半導体とは、ある条件化では電気を通し、ある条件化では電気を通さない、
導体と絶縁体の中間に当たる性質を示す物質です。

現状は、主に単結晶や多結晶のシリコンを半導体として利用しています。
太陽光発電は、シリコンの半導体としての性質を利用して、
太陽光エネルギーを電子に吸収させ、エネルギーを吸収した電子を電力として、
外に取り出す発電方式ということができます。

電気は、プラスからマイナスに電子が流れることで発生します。
通常光が当たっていない状態では、太陽電池内は電気は流れません。
しかし、太陽電池に光が照射されると光起電力効果という現象が起き、
電気が流れる仕組みになっているのです。

もう少し専門的に解説すると・・・。


シリコン半導体を使用する太陽電池は、p型半導体(プラスの電極)と、
n型半導体(マイナスの電極)という性質の異なる2種類の半導体を接合して作ります。

n型半導体はマイナスの電気を帯びやすく、
マイナスの自由電子(伝導電子)がやや多く存在しています。

p型半導体は、プラスの電気を帯びやすく、
マイナスの自由電子がやや少ない状態で、電子が足りない状態の場所、
正孔・ホールを持っています。

この二つを接合すると、n型半導体から自由電子が出て、正孔を打ち消しあう、
拡散という現象が起こります。
そして、電子が出た後のn型半導体は、電子が足りなくなるためプラスに帯電します。
逆に余分に電子をもらったp型半導体は、マイナスに帯電します。

このため、n型半導体とp型半導体の間には、空乏層という電子も正孔も存在しない、
絶縁部分が生じて、内臓電界という電界が発生し、安定した状態になるのです。

これが、光が当たっていない時の太陽光パネルなのです。
そこに光が照射されると 空乏層に光のエネルギーによって、
新たに自由電子と正孔が押し出されて、自由電子はn型半導体へ、
正孔はp型半導体へと移動します。
その結果、電子を外部へ押し出す力が発生して、電気が流れるわけです。
これが、電流です。=発電するメカニズムなのです。

ところが、温度が上昇すると、禁制帯幅(ハンドギャップ)が減少することで、
出力電圧が低下して発電効率が落ちることになります。

禁制帯幅(ハンドギャップ)とは、
シリコンの構造の中で電子が存在できない領域のことを指します。






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