太陽光発電のその工事費用は、本当に妥当ですか?
当サイトでは、太陽光発電の導入を考えている方に対して、「現地調査をして、本当にそこで採算が合うか確認してから決めてください。」とお伝えしています。その際に必要になるのが、見積書(支出)とシミュレーション(収入見込み)です。
太陽光発電は、住宅用であれば「屋根」という建物において極めて重要な部分に設置するため、さまざまな条件によって、設置工事内容が異なってきます。そのため、工事費用は標準工事費というものが業者によって設定がありますが、設置場所によって大きくことなってくることがあります。
- 一体、この見積もりに書かれている工事費用は本当に適正なのか?
- あるいは、この工事内容で本当に大丈夫なのか?
- 安くても悪い工事ではだめだし、高すぎたら導入できない・・・。 本当に必要十分な工事はどこからどこまででいくらなのだろうか?
見積もりとシミュレーションを取得しても、そんなふうに思われる方も多いのではないでしょうか?それもそのはずで、太陽光パネルなどの形有る商品でしたら、価格を比べることはできますが、工事内容という無形のものについては、容易に価格を調査することができないからです。また、その妥当性を測ろうと思うと、複数の業者から見積もりを取得して、ひとつひとつ見比べるという非常に骨の折れる作業となります。
※※年度内導入を検討の方へ※※
2016年度(平成28年度)買取価格の適用を受けての太陽光発電導入は、すでに受付を終了しました。今後検討される方については、2017年度以降の固定価格買取制度が適用となります。どう検討していけばよいか、下記ページをご覧頂けるとスムースですので、ご参照ください。
太陽光発電の価格を構成する要素
太陽光発電を導入する際にかかる費用は、大きくわけて次の3つになります。
- 太陽光パネルやパワーコンディショナーなどの機器代金
- 機器を設置するための標準工事費用
- 設置場所の条件によって必要になる付帯費用
このうち、太陽光パネルやパワーコンディショナーなどは、メーカーから販売店が仕入れて、販売店が利益を上乗せして販売するため、価格構成としては非常にわかりやすいといえます(実際に、Googleなどの検索エンジンで型式を入力すると価格を比較するのも容易です)。
しかし、太陽光発電の場合は必ず「設置工事」というものが付随してきて、設置工事は、設置場所に併せて完全オーダーメイドで積算することになります。当然価格は同じ商品を設置する場合でも変わりますし、メーカーによる工法指定によりパネルによっても変わってきますし、もちろん工事業者によっても違ってきます。
さらに太陽光発電は、機器代金と標準工事費用の合計で相場が表現されているため、「工事費用」や「工事内容」については、どうしてもわかりにくくなってしまいます。(1kWあたり○○円というのは工事費用込みの場合がほとんどです。)
例えば、HIT245αが1kWあたり40万円!と表記される場合、ほとんどのケースが標準設置工事費込みの価格を表しているわけです。そのうちのいくらが製品代金で、そのうちのいくらが工事費用かなんてわかりません。そして、何kWの太陽光パネルを設置した場合なのかもわかりません。通常、設備容量が大きくなるほど導入単価は安くなるのが常なのですから。
⇒太陽光発電の価格徹底比較|絶対得する導入ガイド参照ください。
そもそも工事費用だけを比較する意味はあるのか
下の画像は、ある販売店が提出した見積もり書です。2013年はじめのものなので、価格は現在より若干高めかもしれません。
この中で、設置工事費409,500円とありますが、これが果たして安いのか高いのかを見極めるのは困難と思います。
そこで仮に、製品価格だけや工事費用だけを比較したとしましょう。製品価格が安くても工事費用が高かったらトータルで支払う金額はかわらなくなります。逆に工事費用が安くても製品価格が高かったらトータルで支払う金額はかわらなくなります。
つまり、価格や費用を比較検討する際には、トータルの価格で見るしかないということができます。そして、販売店もその辺りは熟知しているので、見積もりの項目を調整するのは簡単なことです。(見せかけを安くしたり、比較したときに有利に見えるように調整したりすること。例えば、太陽光パネルの価格を安くして、その分工事費に載せれば価格比較すると一見安いように見えるでしょう。)
つまり、結論からすれば、工事内容が同じなのであれば、見積もりの項目毎の比較をすることは無意味ということができるでしょう。
ただし、同じメーカーの同じ製品なのに、工事内容が異なる場合は注意が必要です。きちんと販売店の指定する工法を選択しているのかを確認しなくてはいけないでしょう。
どうやって適正な価格で導入するのが安心か
例えば、さまざまな太陽光発電の価格比較サイトなどで価格を調べるのもひとつでしょう。しかし、その価格に含まれている工事内容でどこまで対応できるのかはなぞです。
違う業者に問い合わせて、見積もり内容を見てもらうのも一つでしょう。
しかし、その業者が本当に信頼に足る業者でなければ、もっと有利に見える見積もりを持ってきて、「うちで工事したほうが得ですよ」といい、結局何が正しいかを見極められなくなるでしょう。太陽光発電はオーダーメイド工事になるため、見積もりを比較することでしか、最終的には結論をとることはできません。
以上の観点から、複数社の太陽光発電販売業者による現地調査をした上での、見積もり比較をすることが、唯一の方法ということができるでしょう。
そのためには、きちんとした業者に依頼することが必要になります。そもそも信頼できる業者から提出される見積もりだからこそ比較できるのであって、悪徳業者の見積もりを比較するのはナンセンスといえるからです。(当然ですよね、見積もりなんてなんとでも作られるのですから・・・。)
以下のページを参考にしていただき、見積もり比較をされることをおススメします。
太陽光の設備認定と電力売電権利をお売り下さい。
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