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太陽光発電は、屋根を選びます。場合によってはリフォームが必要になる?

宅に太陽光発電を設計、設置するうえでは、屋根は非常に重要となります。

屋根には、さまざまな形状や素材があり、太陽光発電に適した場合もあれば、適さない場合もあるのが実情です(安全性を確保するための工法により、条件はさまざまです。屋根の経年劣化の影響も当然のことながら影響を及ぼします)。

状況によっては、屋根のリフォームも検討する必要が出てくるでしょう。

また、屋根をリフォームする場合、本当に屋根をリフォームしてまでも、太陽光発電を導入したほうがよいのかを判断することも必要になります。なぜなら、屋根は住宅において極めて重要な役割を果たす部分であり、屋根をリフォームする場合、相当額の費用がかかるためです。もし、太陽電池を設置するためだけに屋根をリフォームするのであれば、きちんと費用対効果を計算することが必要でしょう。

屋根の役割と形状や種類

屋根はそもそも住宅にとって非常に大切な役割を持つものです。
太陽光発電パネルは、そんな重要な屋根に設置されるわけなので、工事は慎重に行うべきですし、そもそも設置するかどうかをきちんと見極めなければいけません。以下でまずは、屋根についての基本的な知識をまとめておきます。その後、実際に屋根に太陽光発電がどう設置できるか解説します。住宅において屋根の果たす役割を再認識するのに役立つことでしょう。

屋根の機能

屋根の機能としては、実質的には次の3つに分けることができます。


雨、風、日射等を防ぐ強度を持っていること
降った雨、雪等を効率よく排出・落下させること
建物の美観を構成すること

住宅の屋根には、以上のような3つの大きな働きがあります。いずれも、住宅が長く存続するためには、極めて重要な役割を果たすことになり、家がそもそも担うべき役目の大きな部分を屋根が担っていることがわかるでしょう。逆に、屋根のこれらの機能がほんの少しでも損耗するようなことがあれば、安心安全に居住することができなくなります。


屋根は地域やその場所の気候などに合わせて、さまざまな形状、さまざまなタイプの素材、それらの組み合わせて以下のようないろいろなタイプのものが出てきました。


屋根の形状

・屋根の形状は、実にさまざまなものがありますが、日本の住宅で一般的にしようされる形状は、次のものが上げられます。

屋根の種類

  • 寄棟屋根
  • 方形屋根
  • 六柱屋根
  • 八柱屋根
  • M型屋根
  • Y型屋根
  • 鋸(のこぎり)屋根
  • 越し屋根
  • 切妻屋根
  • 招き屋根
  • 刀流れ屋根
  • 下屋付招き屋根
  • 棟違い屋根
  • 乗越し屋根
  • 腰折れ屋根
  • 半切妻屋根
  • 入母屋屋根
  • しころ屋根
  • マンサード屋根
  • 隅切屋根
屋根材など
屋根の構造

屋根材についても多種多様なものがありますが、日本で使われているものは、主に次の3つに分類することができます。
それぞれにさまざまな種類にわかれますし、それぞれに葺き方も変わってきます。

  1. 瓦葺き
  2. スレート葺き
  3. 金属葺き

野地板

屋根材の下には、野馳板と呼ばれる屋根材や屋根材の下葺き材を取り付けるための下地材があります。
この野地板も太陽光発電を設置するための強度を作る役割から重要視されます。


野地板には、次の5つの種類があります。

  1. 普通合板Ⅰ類(完全耐水)
  2. 普通合板Ⅱ類(普通耐水)
  3. 普通合板Ⅲ類(非耐水)
  4. 構造用合板特類(完全耐水)
  5. 構造用合板Ⅰ類(完全耐水)

※普通合板は、一般的な在来工法時に使用、構造合板は2×4工法に使用されるケースが多いです。
※太陽光発電の各メーカーは、構造用合板を推奨しており、その他の場合補強工事を必要とする場合があります。
※野地板の厚み寸法は、一般的に9~12mmですが、確認が必要となります。

垂木

・野地板は、垂木と呼ばれる板に固定されています。
垂木は、在来工法では縦垂木、ハウスメーカー工法の場合は横垂木が使用されていることが多いです。
太陽光発電を支えるための金具の設置強度を保つために非常に重要となる部材です。
特にピッチ(間隔)は、施工会社にとって確認必須の事項になっています。


太陽光発電の設置する際に注意すべきポイント

これらの事項は、最近建てらてた住宅であれば、設計書類を確認すれば簡単にわかります。


しかし、一定以上古い築年数の経過した住宅については、書面ではわからないことが多いので、現地を確認する必要があります。屋根の上に上って確認したり、天井裏を見て確認したり、さまざまな調査をするわけです。なぜなら、実際に太陽電池を過酷な環境下で支えられるほどの強度があるか、実際に設置できるのかを見極めなければいけないからです。


ただし、場合によっては天井裏に入れないことも想定されます。

その場合は、垂木など大切な事項を確認できなくなるため、建築した業者や大工さんを確認して連絡したりと徹底的に調査する必要がでて来ることになります。


特に安全性という側面と「屋根の基本的な機能を損なわない」という側面から、きちんとした調査が必須であり、上記のことがわからないと太陽光発電を導入することはできません。



※※年度内導入を検討の方へ※※
2016年度(平成28年度)買取価格の適用を受けての太陽光発電導入は、すでに受付を終了しました。今後検討される方については、2017年度以降の固定価格買取制度が適用となります。どう検討していけばよいか、下記ページをご覧頂けるとスムースですので、ご参照ください。




太陽光発電の設置の可否判断

基本的には、どの屋根の形状でも、屋根材でも強度さえしっかりしていれば、太陽光発電は設置できますが、金属葺きの屋根は太陽光発電に適しません。固定金具と屋根材金属の相性によって電触が起こり相互に劣化することが起こったり、太陽光発電の固定金具を固定しなくてはいけなかったりするためです。


瓦葺きの屋根については、万が一瓦が破損した際に、交換する瓦が準備できるかというのも重要になります。


古い瓦などでは、すでに生産しておらず、もし予備を所有していなければ、取替えすることができないことも想定されます。その場合、瓦の葺き替えする必要が出てきますので、太陽光発電を導入することができないケースが出てきます。


また、野地板や垂木の強度が十分でない場合は、補強工事をする必要が生じます。


基本的に築20年以内までの住宅であれば、問題なく設置できるケースが多いようです。
それ以上経過していてももちろん設置できますが、補強工事が必要になるケースも出てきます。


ただし、工法やメンテナンス状況によって状態は大きく異なり、築年数ではわからないところも出てくるのが実情です。


そういう背景から屋根の多様性も考えると、さまざまな要素を複眼的に確認するしか方法はないというのが実情で、やはり、きちんと現地見積もりをすることが大切になります。


以上のことを勘案して、当サイトが推奨している、簡易版・必ず確認すべき3ステップのステップに沿って、導入判断して頂けたらと思います。


※太陽光発電は、屋根に太陽光パネルを載せることから、重量を気にされる方も多いようです。
そんな心配をされている方は、太陽光発電を木造住宅は耐久できるか?をご覧ください。

屋根を葺き替えてでも太陽光発電を導入したほうがよいのか?

仮に屋根が太陽光発電を導入するのに適さないと判断された場合は、どうすればよいのでしょうか?


屋根のリフォーム代金を支払ってでも太陽光発電は導入するメリットがあるのでしょうか?


ここで、簡単に基準をお伝えしておきます。

数年以内に屋根の葺き替えをしなくてはいけない場合

屋根をどうせ数年以内に取り替える必要があるのであれば、いっそのこと今取り替えてしまうとよいでしょう。どのみち葺き替える際に、お金がかかることなので、併せて太陽光発電を導入することで、経済的なメリットを得ることができるからです。


※前提として太陽光発電を設置して経済的な利益を得られる場合に限ります。
結局太陽光発電って本当に得なの?参照ください。


それ以外の場合

当面(10年以上)屋根を葺き替える必要性がない場合であれば、場合わけです。
太陽光発電は、導入後長い年月をかけて初期費用を回収して、利益を上澄みしていく投資です。
そういう性質から考えると、20年で想定される発電による利益で、屋根をリフォームして太陽光発電を導入できるのであれば、導入したらよいと思います。太陽光発電は、20年くらいは十分耐久するからであり、経済的な損失にはならないからです。


しかし、回収に20以上の年月かかるくらい吹き替えに経費がかかるのであれば、一旦ここは、導入を断念するとよいと思います。将来的に今は条件を満たさない設置基準でも導入できるようになる可能性もあるからです。


20年というのは非常に長い年月なので、いくら太陽光発電が早く導入すればするほど有利になる性質を持っているとしても、屋根のリフォーム代金と太陽光発電の設置工事費用の合計を回収するのに、 20年以上かかるのは、経済的な観点から見れば少しリスクが多くなるといえるでしょう。


ただし、「経済的に」という観点ではなく、太陽光発電を導入したい場合は、まったく関係ありません。
ご自身の予算や目的に合わせて、導入して「吉」ということができるでしょう。

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