既にある太陽光発電にパネルを追加・増設したらどうなる??
太陽光発電をすでに導入している方で、さらにパネルを追加したり、増設したりを検討している方が増えています。太陽光発電の価格が、ここ数年で劇的に下落しており、費用対効果が格段に向上したためです。(※ただし、導入時に可能な面積すべてに設置してしまった方は、もうパネルを追加したり、増設したりすることは困難です。隣地にスペースを別途準備する必要があります。また買い換え(既存のパネルを撤去して、新規にパネルを敷設すること)というのも、設置後10年未満の場合はトータルコストでマイナスになるで、現状は控えた方が良いでしょう。)
しかし、南側だけ設置していて東や西側にはまだ設置していなかったり、倉庫や離れなどの屋根にまだ設置可能スペースが残っていたりする場合、パネルの追加・増設が可能となります。すでに太陽光発電を導入している方が、増設・パネルの追加を検討する背景には、次のようなケースが多くみられます。
- 導入時はまだ太陽光発電の良さに半信半疑だった
- 導入時は予算(与信枠など含)が限られていた
- 実際の発電量が想定よりもよくて利益が大きかった
- 家を増設するなど設置可能面積が広がった
いずれにせよ、太陽光発電の増設を検討されている人には、すでに導入した太陽光発電に満足していることが共通項としてあげられます。では、太陽光発電を新設するのではなく、あくまでも「追加」「増設」する場合に、注意すべき点や検討すべき点はどのようなことがあるのでしょうか?
※※年度内導入を検討の方へ※※
2016年度(平成28年度)買取価格の適用を受けての太陽光発電導入は、すでに受付を終了しました。今後検討される方については、2017年度以降の固定価格買取制度が適用となります。どう検討していけばよいか、下記ページをご覧頂けるとスムースですので、ご参照ください。
全量買取制度の取り扱いについての注意点
太陽光発電を追加・増設した場合に、もっとも気になることの一つが、全量買取制度の適用がどのように処理されるか、ではないでしょうか?
例えば、2012年度に太陽光発電を設置していた方が、2014年に増設した場合、買取価格はいくらになって、固定期間はどれだけになるのか?(どの年度の買取価格が適用されるのか?先に設置したものと後で設置したものとで分かれるか、あるいはどちらかの買取価格で統一されるのか。そして、固定価格買取の期間の起点はいつになるのか。等々)
あるいは、当初4kWだったのが、12kWになった場合、産業用の適用が受けられるのか?などなど、年度によって条件が異なるため、とても気になることと思います。
固定価格買取制度は、太陽光発電を導入して「おいしい思い」をする目玉となる施策です。どう適用を受けるのかによって、追加・増設するかどうか、変わってくるポイントになります。
太陽光発電の追加・増設における固定買取制度の適用方法基本
後から追加・増設された部分の太陽光発電の容量は、当初設置したときの条件に統一される。買取期間は、当初設置時からの期間になる。ただし、余剰電力の買取だったものは、全量買取にならない。
このように確定しています。少しわかりにくいと思いますので、言葉を変えて、具体例を出して解説したいと思います。
【ポイント】
- 買取価格は、設置時の買取価格が適用されます。
- 買取期間は、当初設置時を起点として固定期間になります。
- 全量買取制度開始後の当初設置分については、合計10kW以上で20年固定に。
- ただし、余剰電力の買取から全量買取にはならない。
この基本がどのように適用されるかを具体例でまとめてみました。
2011年度に4kW設置、2014年度に7kW追加・計11kW | 買取価格:48円/kWh 買取期間は、当初設置時から10年間余剰電力の買取扱いとなります。 |
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2011年度に3kW設置、2014年度に4kW追加・計7kW | 買取価格:48円/kWh 買取期間は、当初設置時から10年間余剰電力の買取扱いとなります。 |
2012年度に4kW設置、2014年度に7kW追加・計11kW | 買取価格:42円/kWh 買取期間は、当初設置時から20年間余剰電力の買取扱いとなります。 |
2012年度に3kW設置、2015年度に4kW追加・計7kW | 買取価格:42円/kWh 買取期間は、当初設置時から10年間余剰電力の買取扱いとなります。 |
販売店・メーカーを選ぶときの注意点
太陽光発電を増設する際には、基本的には、当初設置してくれた販売店に、当初設置したパネルと同じメーカーの製品を追加で設置してもらうようにしましょう。
販売店が異なると、あらぬトラブルの原因にもなりかねませんし、設置工事に対する責任の範囲が不明確になってしまうためです。
例えば、当初施工した業者とは違う販売店が増設工事をして、5年経過してから雨漏りした場合に、その原因はどっちにあったんだ?と原因を特定しにくくなったりします。また、異なるメーカーで増設して、同じパワーコンディショナーを使った場合では、メーカー保証が外れてしまうケースも生じてきます。そもそも同じパワーコンディショナーを使えるかどうかを見極める必要もありますし、逆にもう一台パワーコンディショナーを導入するのも費用がかさみます。
そういう背景から、よほどのことがない限りは、当初と同一の販売店・同一のメーカー製品で追加・増設されることをおススメします。
ちなみに、太陽光発電を増設して産業用太陽光発電になった場合は、増設分のみがグリーン投資減税の対象となります。※2016年現在、グリーン投資減税は受付終了しています。
⇒グリーン投資減税とは?参照ください。
以上のように、太陽光発電を後から追加してり増設したりすることは可能ですが、当初にまとめて設置するのに比べると、工事回数が倍になるうえ、配線工事も一部やり直す必要が出てきたり、パワーコンディショナーの容量を大きいものに変更したり、さまざまに余分な費用が発生してきます。
太陽光パネルの相場の下落や性能向上を期待していて、一部を先に導入して、将来追加で増設したいと考えている方もいらっしゃると思いますが、費用対効果を考えるとあまり得策ではないといってよいでしょう。
いくらパネルが安くなって、発電効率があがったとしても、工事費用の増加分を吸収できないことと、発電機会のロスが、要因としてあげられます。
太陽光発電をいつ導入するのがベストかについての考え方については、いつ導入するのがベストか?に詳しくまとめてあるのでご参照ください。
太陽光の設備認定と電力売電権利をお売り下さい。
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