太陽光発電は半永久的に発電しますが、劣化はします。
みなさんは、こんな疑問をお持ちではないですか?
- 太陽光発電は、半永久的に発電する性質を持っている。
- 太陽光発電も劣化するから20年程度で寿命を迎える。
- 太陽光発電は、一度設置してしまえば故障しない。
- 太陽光発電は、故障するからメンテナンスは必須だ。
太陽光発電の耐久性については、「メンテナンスフリー」だとか「半永久的に使えるとか」、いろいろな噂が錯綜しており、混乱してどれが本当なのかがわからないのが現状なのではないでしょうか?そんな方たちのために、ここでは、太陽光発電が劣化するのかどうか、どれだけ耐久するのか、故障はするのか、など太陽光発電の耐久面について詳しくお伝えしたいと思います。
その前に、「太陽光発電システム」とは何かをおさらいして頂きたいと思います。(詳細は、太陽光発電とは?や太陽光発電のしくみご確認ください。)
太陽光発電のしくみや構成
太陽光発電は、以下のような構成をしています。
太陽光発電は、太陽電池モジュールという一枚のパネルの中に、発電するシリコンで出来た太陽電池セルがたくさん組み込まれてできています。そのセルからできたモジュールが何枚も設置場所の条件によって連結されて、太陽電池アレイと呼ばれる、いわゆる太陽光発電システムを構成するのです。
その太陽電池アレイは、宅内配線によってパワーコンディショナーという「直流の電流を交流の電流に変換する機器」に接続され、交流に変換された電力は分電盤を通して家庭内に電気を供給したり、売電メーターをとおって電力網に逆潮流して、売電されていったりするわけです。
※※年度内導入を検討の方へ※※
2016年度(平成28年度)買取価格の適用を受けての太陽光発電導入は、すでに受付を終了しました。今後検討される方については、2017年度以降の固定価格買取制度が適用となります。どう検討していけばよいか、下記ページをご覧頂けるとスムースですので、ご参照ください。
劣化する部分としない部分
先のしくみをご覧いただけるとわかると思いますが、太陽光発電を構成するさまざまな部材の中には劣化するものとしないものとがあります。なので、【劣化する、しない】【故障する、しない】とあるのは、どちらもある面ではただしく、ある面ではただしくないということができるのです。
それは、次のような理由からです。
太陽電池セルを構成する半導体は、基本的には永久的に発電しますし、メンテナンスもしようがないので、ほぼ故障がないです。ところが、太陽電池セルをパネルの中でつないでいる電線だったり、フレームだったり、あるいはパワーコンディショナーなどの機器については、劣化しますし、故障します。
つまり、部位によって耐久性が異なり、劣化の程度がかわってくるのですが、すべての部材がそろってはじめて、太陽光発電として機能するわけなのです。
以上のことから、各部位別の耐久性の目安をまとめておきたいと思います。
ただし、基本的には製品や設置される環境によっても異なりますので、あくまでも目安程度に捉えていただけたらと思います。
- 太陽電池・・・20年以上
- パワーコンディショナー・・・10年程度
- ラックや配線・・・20年程度
- その他周辺機器・・・15年程度
太陽光発電が故障するのはどれくらいか
次に故障についてまとめておきたいと思います。
独立行政法人産業総合研究所の調べによると、太陽光発電を設置して5年間で発生した交換件数は、次のようになったとのことです。
引用元:http://taiyoseikatsu.com/special/mtrouble/mtrouble01.html
サンプルが限られるため、このデータだけから結論づけることは早計としかいえませんが、5年間で太陽光発電が故障する確立は、おおよそ112/5645=2%程度ということができるでしょう。また、下の表はパワーコンディショナーの故障率を表したものです。
こちも上記の産総研の事例と同様にサンプル不足なので、このデータだけで結論を出すのは少し乱暴かもしれませんが、パワーコンディショナーが5年以内に故障する確率は、おおよそ、19/210=9%程度ということができるでしょう。ただし、基本的には太陽光パネルにもパワーコンディショナーもメーカーによる10年保証がついているので、保証期間内でしたら無償で交換・修理してもらうことが可能です。
いずれにせよ、ここでお伝えしたかったことは、太陽光発電は、システム全体としては劣化もするし、故障もするということです。だからこそ、日々の発電量のチェックや定期的なメンテナンス等が大切になるのです。
※メンテナンスについての詳しいことは、太陽光発電とメンテナンスや太陽光発電の維持費をご覧ください。
また、これから太陽光発電を導入しようかどうか検討したいという方は、必ず確認すべき3つの事項からご覧いただけると幸いです。
太陽光の設備認定と電力売電権利をお売り下さい。
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