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太陽光発電における半導体の役割

もそも半導体とは、金属など電気を通す「導体」とゴムなど電気を通さない「絶縁体」の中間的な性質を持ち、様々な刺激により異なる電気導電性を示す物質だといえます。半導体がこのような「導体」と「絶縁体」の中間的性質を持つのは、下図で示すように、電子で満たされた「価電子帯」と電子の通り道となる「導電帯」の間のギャップが絶縁体に比べて狭いためです。
半導体に太陽光が照射されると価電子帯の電子が導電帯に移動(励起)することにより電流が流れます。これは「光起電力効果」と呼ばれ、これにより太陽光発電が可能となります。 現在、太陽光発電のパネルには一般的に結晶シリコン(Si)系の半導体が多く採用されていますが、それ以外にも薄膜系、シリコンの代わりに銅、インジウムなどの金属を用いたCIGS系などが実用化されています。

半導体図


※※年度内導入を検討の方へ※※
2016年度(平成28年度)買取価格の適用を受けての太陽光発電導入は、すでに受付を終了しました。今後検討される方については、2017年度以降の固定価格買取制度が適用となります。どう検討していけばよいか、下記ページをご覧頂けるとスムースですので、ご参照ください。




半導体と変換効率

太陽光パネルを評価する際に最も重要なのは、太陽光を電気に変換する際の変換効率です。変換効率は以下の式で算定され、例えば変換効率が20%であれば、入射光のエネルギーの20%に当たるエネルギーを電力として得られることになります。
この変換効率の限界は約30%といわれており、現在単結晶シリコンで20%~25%、低コストの多結晶シリコンで15-18%、薄膜系で5~10%程度の変換効率が実現されています。


半導体の主要プレーヤー

ご存知のとおり、太陽光パネル市場には多くの企業が参入していますが、単結晶系パネルで変換効率20%超と現在トップを走っているのが米国のサンパワーです。またシャープ、パナソニックなどの日本企業も変換効率では上位に食い込んでいます。また中国メーカーについては、以前は変換効率面で日本製に大きく劣るというのが共通認識でしたが、インリーソーラーなど大手においては技術面の評価も近年急速に高まっています。


半導体関連の技術動向

太陽光パネルに用いられる半導体の技術革新に向け、様々な研究が続けられています。
そしてその最大の目的はやはり変換効率の向上です。 例えば、先に述べたように太陽光発電では、半導体中の価電子が照射光により励起されることで電流が発生します。しかし価電子を励起させることができる光の波長は、価電子帯と伝導帯のバンドエネルギーギャップにより決まっているため、照射光の光を100%利用することはできていません。そこで異なるエネルギーバンドギャップを持つ半導体を積層させて、利用できる光の波長領域を広げることで変換効率を上げようという研究が進められています。


日頃、見慣れた太陽光パネルにも実は高度な科学技術が詰まっているのです。このコラムをつうじて少しでも太陽光パネルについて理解が深まれば幸いです。
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